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産地訪問 in 柑橘王国八幡浜~そうして僕は海を見る~(後編)

前回の 八幡浜訪問レポート の続きです! まずは、今回の農作業で新たに知ったことをいくつか書いていきたいと思います。 ・裂果 摘果作業をしているとき、パックリと割れているみかんを何度か見かけた。木に生ったみかんが割れているのだ。何事かと思った。これは「裂果」と言って、雨がしばらく降らずに乾燥が続いた後、突然大雨が降ったりすると起こるのだとか。 果肉の急激な肥大化に皮が耐えられず、割れてしまう らしい。初めて見た時こそ「可愛い」なんて感想を持ったものの、当然彼らに商品としての価値はない。みかんもまた天候には勝てないようだ。農業の難しさを感じた。 ・サビダニ ダニである。このダニがみかんに発生すると、中身への影響こそないものの、 皮が斑点とともに黒っぽくなり商品としての価値が下がってしまう。 一度発生するとたちまち周りの木へ広がってしまうため、発見次第、薬剤を散布するなどして対処する必要がある。迅速な報告が求められた。 ちなみに上松も二度、大きな声でサビダニの発見を報告したが、ダニでなくただの傷であった。 ・大家百治郎(おおいえひゃくじろう ) 明治27年、八幡浜市向灘の大家百治郎という人が 福岡からみかんの苗3,000本を持ち込み、栽培を始めた ことが八幡浜みかんの始まりと言われている。そのおかげで今、おいしい八幡浜みかんを僕たちが食べられていると思うと感謝の念に堪えない。 ―八幡浜のお祭り― さて、八幡浜の夏は様々な地域イベントで大きな盛り上がりを見せる。花火大会や盆踊り大会など、何十年と続いてきた行事が地域に深く根差しているのだ。8月12日。この日は第31回「てやてやウェーブ」というイベントが行われた。 このお祭りは 僕が今までに見てきたお祭りの中で間違いなく、もっともエキサイティングな祭りだった。 八幡浜に伝わる『TEYA-TEYA I WANT YOU』という曲に合わせて、各団体が八幡浜の臨港道路を踊りながら進んでいくお祭りだ。その曲というのがなんともまた絶妙に体を動かしたくなる曲で、いまだにこれを聴けば体が動く。正直何を言っているのか分からない歌詞を、男くさく歌っているのもいい。 僕も地元の農家さんなどが集まったチームに参加させてもらい、全力で踊ってきた。チームの方々は本当に素敵な人ばかりで、飛び入り参加の僕に色々良くしてい

産地訪問 in 柑橘王国八幡浜~そうして僕は海を見る~(前編)

僕にはずっと憧れているものがある。 それは、海が見えるみかん畑だ。 ただのみかん畑ではなく、「海が見えること」が重要だった。 こんなに人生が味気ないのは、海がないせいではないか?海さえあれば、心に潤いを持てる気がする。海こそ生活になくてはならないものなのだ。 埼玉とは、人にそう思わせるだけの何かがある(ない)場所なのだ。 ……申し遅れました、東大みかん愛好会4期の上松です!今回の記事では、 「みかんと魚の町」 として有名な愛媛県八幡浜市での滞在について書いていきたいと思います。 【期間】2018年8月10日~8月22日 【場所】愛媛県八幡浜市向灘 【宿泊先】コダテル(コワーキングスペース兼ゲストハウス) 【受け入れ先農家】濵田農園 ―コダテル― 今回、八幡浜での宿泊施設としてお世話になったのが「コダテル」という建物。 そのコダテルを運営なさっている浜田規史さんという方がインターンを募集しているのを知り、今回の滞在が決まった。コダテルとは八幡浜の海沿いにある、コワーキングスペース兼ゲストハウスだ。学びの場、働く場、交流の場として、地元の人はもちろん、県内外から様々な人が集まり交流し、企てる。僕の滞在中にも多くの人がコダテルを訪れ、刺激的な交流を持つことができた。 日々新しい交流が生まれる 、そんな場所だ。 今回の滞在ではコダテルの運営サポートをしながら、近くの濵田農園さんで農作業をさせてもらうことに。 ―いざ、みかん山へ― 朝7時30分に集合し、倉庫から車で山を登ること5分。話に聞くより、写真で見るより、ずっと美しい景色がそこには広がっていた。 ずっと見たかった景色だ。 海、山、街、八幡浜の最高の景色がすべて見渡せる 素晴らしい農園。埼玉人の血が騒ぐのがわかった。この景色を見られただけでも八幡浜に来た甲斐があったというもの。惜しむらくは、このみかん山が色付いた姿を見るのができないことだ。それを見るためならば大学を少し休んでもいいのではないか?という気にもなってくる。 夏のみかんは緑色だ。旬の時期までまだ時間がある。もしかしたら、「夏のみかん農家は暇してるんじゃないか」と思う人もいるかもしれないが、夏にだってしなければならない作業はたくさんある。その中で、夏の作業の中心となるのは摘果(てきか)という作業で、今回僕は主に摘果を体験

美味しいみかんの選び方〜完全版〜

こんにちは。みかん大好き平田と申します。 美味しいみかんは気づいたら手元から無くなっているのは世界七不思議の1つだと思っています。あとの6つは知りません。 さて、今回のトピックは 美味しい みかん の選び方〜完全版〜 です。 恐らく全人類が最も欲しているライフハックです。 知っていましたか?コツさえつかめば美味しいみかんが簡単に見分けられるんです。 完全版というのは、恐らくこの記事が1番多くの選び方を享受できるものだからです。 これから紹介する 7つ のコツ を覚えて、 Be a みかん選別マスター !!! と、その前にこの記事における「美味しい」の定義をしておきます。 それは 「甘くて、味が濃い」 です。 酸っぱいみかんが好きな人ごめんなさい。個人的には北の地域のみかんは酸味が強くてオススメです。埼玉のみかんとか。 (酸っぱいみかんを こちらの記事 にまとめました。)(2019/12/31) というわけでコツ①です。 コツ① : 色が濃いものを選べ! 太陽の光を多く浴びて果皮の色が濃く育ったみかんは一般的に甘い傾向があります。 左の方が色が濃いですね。両方おなじ箱に入っていましたがこんなにも違います。 コツ② : 形が扁平なものを選べ! 温州みかんは初めに縦方向に成長し、その後横に成長します。 甘く、濃くなるのはこの「横に成長する時」なのです。 左の方が扁平で美味しそうです。 コツ③ : 程よく柔らかく適度な弾力があり、身 と皮が密着しているものを選べ! 柔らかすぎたり、身と皮が離れてブカブカになってしまっているものは水分が多く味が薄くなってしまう傾向があります。 感覚としては水饅頭くらいの弾力がいいかもしれません。 水饅頭のイラストなんてあるんですね。 コツ④ : ヘタの切り口が小さいものを選べ! ここで言う切り口というのは道管のことです。 道管は植物において水の輸送を行う大事な器官ですが、ここが大きいとその分果実に多く水分が蓄積され、大味になってしまう傾向があります。 左の方が切り口が小さ

西日本豪雨復興みかん販売を終えて

東大みかん愛好会BLOGをご覧の皆さん、こんにちは! 愛媛特派員(笑)のマーニーです。 僕がえひめ暮らしを始めて4か月が経ち、 西日本豪雨から、はや3か月が経ちました。 皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。 今回は、 10 月 5 日から 15 日にかけて、平日のお昼休み 1 時間、東大駒場キャンパス生協前にて行った 「愛媛県宇和島市吉田町の規格外極早生みかん販売」 に関するご報告です。 ちょっと長くなってしまったのですが、どうか最後までお付き合いください。 結果から申し上げます。 大好評でした (#^^#) ありがとうございました! 初日、一日 10kg 売れればいい方やろ・・・と思いながら仕入れた 3 日分の 30kg が、たちまち完売。 急遽追加発注し、その後は一日およそ 30kg ずつ販売。 7 日間で計 5012 個(= 242kg) を購入していただきました! こんなに皆様に買ってもらえるとは、企画当初は思いもしませんでした。 僕は何度も吉田町に足を運びましたが、目立ったのは、豪雨による土砂崩れによって農道や農機具が破壊され、夏場の 1 か月間、畑に入ることすらできなかった極早生みかんです。摘果 ( 間引き ) ができていないので、ピンポン玉のようなみかんがたくさん出来ていました。 3 S サイズ。 小さすぎて、出荷すらできないサイズの果実 です。 災害によって緊急の出費が重なり、稼ぐための農地も崩れてしまった状況に、追い打ちをかけるかの如く「ゴミにしかならない」みかんが大量発生。 この状況を、何とかしたい。何とかせねば。 そう思い、東大での販売に向けて動き始め、 2ヶ月 の調整を経て形になった企画でした。 販売を終えてみて、今回の企画には大きく 3 つの意義があったと感じています。 1 つ目は、 災害のことやみかんの味を東京の人に伝えることができたこと 。 最初にして最大の意義ですが、 7 日間、数千人が大移動するお昼休みに毎日、「豪雨災害から復興へ」ののぼりとみかんが出ていたことは、確実に道行く東大生の意識に残るものを残せたのではないかと思います。 また、食べてもらった人から

自然と共創するみかん―愛媛県宇和島市吉田町―

はじめまして。今すぐにでも宇和島に行きたい尾形と申します。 宇和島といえば、豪雨のニュースが記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。宇和島を愛する私にとって、それは他人事とは思えない出来事でした。 少しでも役に立ちたい、そんな思いで7月と9月に訪れ、現地で見聞きし、感じたことをありのままに書きました。これを読んで少しでも宇和島の様子が伝われば幸いです。 【自然と共創するみかんー愛媛県宇和島市吉田町ー】 砂ぼこりが舞う。緑の山の中に、茶色い土がむき出しになっている。 蛇口をひねっても水は出ず、スイッチをいれても電気はつかない。 ここは、どこなのだろう。 本当は、わかっている。でも、認めたくなかった。自分の大好きな町が、変わり果ててしまったという事実を。 愛媛県宇和島市吉田町。愛媛みかん発祥の地ともいわれ、昔からみかんと共に歩んできた町だ。 春には白い花が咲き、辺りはあまい香りに包まれる。 夏にはちいさな実がつき、収穫に向けた準備が始まる。 秋には緑色の実がだんだんと色づき、山はオレンジ色に染まる。 冬には出回る品種が多くなり、色とりどりのみかんがずらっと並ぶ。 そんな何気ない一年が、ずっと続くはずだった。 しかし、昨年の秋、台風に襲われた。強い風が吹きつけ、みかんの木の枝は折れてしまった。 さらに冬、類をみない大雪が宇和島に降り積もった。きれいに色づくはずのみかんはなかなか色が出ず、寒さで果肉が凍り、スカスカになったものもあった。 身体も心も凍りながら、なんとか切り抜けた昨シーズン。 「今年こそは」と思っていた矢先、今度は信じられないほどの大雨に襲われたのだ。 濁水が、勢いよく山の斜面を流れてくる。 街中に流れてきた水は、トラックをもどこかへ運んでいく。 まるで映画を見ているかのような、映画であってほしいような、そんな状況が繰り広げられた。 翌日からは、停電と断水が続く。生活を確保するのに精一杯で、みかんの世話をする余裕はない。 猛暑の中、休みなく復旧作業をする男性。 物資の調整や炊き出しで地域を支える女性。 重機が走り回り、危なくて外で遊ぶことのできない子供たち。 「みかん畑の4割もダメになったんよー!残ってるみかんの木の姿をはやく見たいわい」